パーソナリティ障害について
性格の問題で悩む人が非常に多くなっています。
自分の性格だけでなく、パートナーや友人、上司や部下、顧客との関係で、相手の性格に悩まされるということも増えています。
性格の偏りや不安定さが強まって、生きづらくなった状態が、パーソナリティ障害です。
対人関係が難しくなったと言われますが、その要因の一つとして、パーソナリティ障害が増えていることも指摘されています。
性格の悩みの根底にある問題を理解する上で、パーソナリティ障害について基本的なことを知っておくことは、とても役に立ちます。
パーソナリティ障害は、いわゆる「常識」とは少し違った基準をもっているので、常識的な見方で、問題を理解しようとしても、限界があるのです。
パーソナリティ障害について知ると、それまで不可解だった行動やいくら言っても効き目がなかった問題の本当の意味がわかってきます。
そうすると、自然に対応の仕方も変わり、お互いが楽になります。
性格の偏りは、極端になると、デメリットが増え、生きづらさが増しますが、程よく存在することは、むしろ「個性」として大切なことです。
その個性を活かす方向に、ライフスタイルとの調和をはかると、人生は、より快適で、実り多いものになると言えます。
自分や周囲の人のパーソナリティについて、是非見直してみてください。きっとさまざまな発見があるはずです。
ここでは、岡田尊司の著書『ササッとわかるパーソナリティ障害』(講談社)から、パーソナリティ障害についての基本的な知識を整理しましょう。
岡田は、それ以外にも、『パーソナリティ障害』(PHP新書)や『パーソナリティ障害がわかる本』(法研)『境界性パーソナリティ障害』(幻冬舎新書)など、パーソナリティ障害に関する著書を数多く書き、どれもロングセラーとなっています。
岡田尊司『ササッとわかるパーソナリティ障害』より
そもそもパーソナリティ障害とは何ですか?
パーソナリティ障害とは「著しく偏った」状態です。
偏り方は、さまざまで、一見正反対のように見えることもあります。
パーソナリティ障害(人格障害)とは、一言で言えば、「性格の著しい偏りのために、自分自身だけでなく、周囲も苦しむ状態」で、生活に、重大な支障が生じるほど程度が強いものを言います。
少しくらい、その傾向があっても、支障なく生活ができている限りは、「パーソナリティ・スタイル」で、障害ではありません。
偏り方は、さまざまで、大きく十タイプに分かれます。
どのタイプも、極端な偏りのために、うまく周囲に適応できなかったり、苦しさを抱えたりするという点では、同じです。
たとえば、自信やプライドをもつことは大切ですが、それが行きすぎると、「自己愛性パーソナリティ障害」となります。
逆に、自信不足から、人に頼る傾向が強まると、「依存性パーソナリティ障害」になりますし、自信不足が露呈しないように、プレッシャーがかかる状況を避けるようになると、「回避性パーソナリティ障害」へと発展します。
過剰も不足も、生きづらさを生むのです。
パーソナリティ障害は性格?病気?
パーソナリティ障害は、かつて考えられていたような不変の、治療不可能な状態ではなく、改善可能な「障害」と考えられています。
かつて、パーソナリティ障害のことを「精神病質」と呼んでいました。
今日でも、司法精神医学などでは使われますが、「烙印」を押すような響きがあります。
「精神病質」には、生まれつきもった素質で、治らないという意味が強いからです。
「烙印」ではなく、治療可能な「障害」として捉えようと、使われるようになったのが「パーソナリティ障害」です。
実際、わかってきたことは、パーソナリティは、かつて考えられていたほど不変なものではなく、可塑性があるということです。
パーソナリティ障害の人も、ずっとそういう「性格」だったのではなく、挫折や傷ついた体験をきっかけとして、バランスが悪くなり、偏りが極端になったという場合が多いのです。
また、治療的関わりや体験によって、時間はかかるけれども、改善するケースが多いということもわかってきました。
決して、変えようのない異常性格ではありません。
いつからパーソナリティ障害になるのですか?
思春期以降、性格は大きく変化します。
青年期以降、ある時期から、偏りが強まってきます。
比較的急激に「発症」することもあります。
パーソナリティ障害は、青年期から成人期の初めまでに、はっきりその傾向が現れるものだと考えられています。
思春期を境に、「性格」は大きく変動します。
そのため、小学校時代までとは、異なる傾向がしばしば見られます。
小さい頃は、友だちともよく遊び、活発で、大胆だった子が、中学生以降、不安が強く、引っ込み思案な回避性の傾向を強めるといったことは、珍しくありません。
多くは徐々に変化しますが、比較的急激に、「性格」が変わったと感じられることもあります。
ことに、「境界性パーソナリティ障害」では、それまで、頑張り屋で、気持ちも安定し、きちんとしていた人が、急激に不安定になり、自殺企図や攻撃的な言動を見せ、周囲を面食らわせることが少なくありません。
元々心のどこかに見捨てられ不安を抱えながら、何とかバランスを保っていた人が、古傷を再現するような出来事をきっかけに心の均衡を失ってしまうと、そんなふうになりやすいと言えます。
どうやって、診断するの?
パーソナリティ障害は、検査をすれば、診断がつくものではありません。
その人の通常の行動や認知のパターンが、診断基準に該当するかで判定します。
体の病気を診断するときのように、検査をすれば、それで診断がつくというわけではありません。
心理検査は、ある程度、診断の助けになりますが、優先されるのは、その人が、過去一年程度の間に、どのような行動様式をとってきたかということです。
正確に言うと、行動だけでなく、認知(どのうよに物事を受け止めるか)や感情(どのように感じるか)といった内的体験の部分も重視されます。
それについて、本人や周囲の人から、十分話を聞き、パーソナリティ障害の診断基準に該当するかどうかを判定します。
該当する合には、各タイプの診断基準と照らし合わせて、どのタイプに当てはまるかを特定します。
薬物の影響や身体的な原因によるものは、除外されます。
また、パーソナリティ障害は、多くは十代から、遅くとも二十代前半には、そうした傾向が始まっているのが通常です。
二十代後半以降に、性格が変わったように感じられるときには、他の原因の可能性が考えられます。
パーソナリティ障害に共通する症状
パーソナリティ障害は、タイプによって、まったく異なった特徴を示しますが、根底には、共通する基本症状があります。
それは、一言で言えば、「幼い心の状態」ということです。
パーソナリティ障害には、代表的タイプだけでも、十のタイプがあります。
それぞれ、偏り方が異なっているだけでなく、正反対な偏りを示す場合もあります。
一見すると、まったく別々のものに思えますが、実は、すぺてのパーソナリティ障害には、表面的な偏り方の根底に、共通する症状や特性があります。
この共通する根本症状をしっかり理解しておくと、複雑に見える現象も、よくわかります。
では、パーソナリティ障害の根本症状とは、何なのでしょうか。
それは、一言で言うと、「幼い心の状態」に陥っているということです。
パーソナリティ障害の人では、発達心理学的には、乳幼児期から児童期前半の頃に特徴的に見られる状態に固着したり、退行を起こしているのです。
その心理学的特徴は、専門的に言うと、「部分対象関係」「妄想分裂ポジション」「躁的防衛」「境界性人格構造」「自己愛固着」です。
それぞれについて、これから見ていきましょう。
白か黒か、常に両極端に考えてしまう
物事を白か黒か、全か無かで、両極端に考えてしまいます。
中間がない二分法的思考は、部分対象関係が優勢なことによるものです。
パーソナリティ障害の基本症状の一つは、両極端に、全か無かで考えてしまうという二分法的思考です。
他人が、親切で、思い通りにしてくれている間は、「すごくいい人」と受け止めるのに、少しでも、思いに反することをされたりすると、途端に「ひどい人」「サイアクの人」と評価が逆転してしまうのです。
精神分析家のメラニー・クラインは、幼い子どもを観察するなかで、乳児期の段階で優勢にみられる対象との関わり方を「部分対象関係」と名付けました。
この段階では、子どもは、母親という全体的な存在ではなく、たとえば、オッパイという一部分でしか見ず、ミルクがよく出るときには、「良いオッパイ」、出が悪いときには「悪いオッパイ」と、まるで別々の存在を相手にするように振る舞うのです。
こうした「部分対象関係」は、パーソナリティ障害の人では、まだ優勢に残っていて、その不可解な反応を、理解するのに役立ちます。
他人を心から信じることができず、人との絆を築きにくい
傷つきやすさのため、本当は「味方」になってくれている人も、些細なことで攻撃されたように感じ、「敵」に思えてしまいます。
二つめの基本症状として、パーソナリティ障害の人は、とても傷つきやすいという点を上げられるでしょう。
通常なら笑って聞き流せるようなことでも、ひどく侮辱を受けたように感じ、長く引きずってしまう場合もあります。
些細な他人の言葉で、落ち込んだり、気に病んだりしがちです。
こうした傷つきやすさは、生来の過敏性を否定的な体験が強化したことによります。
心の発達から言えば、「妄想・分裂ポジション」に陥りやすいためです。
「妄想・分裂ポジション」は、前項で説明した「部分対象関係」の段階で出現しやすいもので、普段は優しくしてくれる人の行動であっても、自分の思いに反すると、それを攻撃と受け取り、激しい怒りをぶつける状態です。
パーソナリティ障害の人では、部分対象関係が色濃く残っているため、ストレスがかかると、妄想・分裂ポジションに陥って、「味方」さえも、「敵」だとみなしてしまうのです。
その結果、安定した信頼関係を維持することが難しいのです。
自信と劣等感が同居
心の奥底にある劣等感や自己否定感を代償しようと、自信を装ったり、強気に振る舞ったりしてしまいます。
三つ目の基本症状として、劣等感と自信が、不安定に同居しているということです。
心の奥底に自己否定感を抱えていて、それを、その人なりの方法で、代償することで、かろうじてバランスをとっています。
第三者からは、強い安定感があるように見える場合も、実は、もろい面を抱えています。
心の発達という観点から見ると、自己否定感から、自分の非を責める状態である「抑うつポジション」に陥るのを避けるために、強気に振る舞うことで、自分を守ろうとする「躁的防衛」の仕組みを、過剰に発達させているのです。
「躁的防衛」の方法は、他人に「優越」することや、「支配」することや、「見下す」ことによります。
自分の非を認めずに、相手を攻撃したり、責任転嫁したりするのも、「躁的防衛」だと言えます。
普段からは想像がつかない程、激しい行動化を起こすのも、「躁的防衛」の結果です。
しかし、「躁的防衛」が崩れると、抑うつポジションに陥って、急に自分を責めてしまったりします。
自分と周囲の境目があいまいで、自分と相手の立場を混同しやすい
自他の境界が曖昧な「境界性人格構造」のため、自分の感情を、相手に投影したり、自分の身近な人と相手を心理的に同一視したりします。
四つ目の基本症状としては、自分と他者の境目が曖昧になりやすく、自分と相手の立場を混同しやすいことが挙げられます。
精神医学者のオットー・カーンバーグは、そうした特徴をもった心の構造を、「境界性人格構造」と呼び、自他の境界が失われた「精神病性人格構造」や自他の区別はしっかりしているが、抑圧した葛藤のために不安や緊張を生じやすい「神経症性人格構造」の中間的なものと考えました。
多くのパーソナリティ障害は、「境界性人格構造」を特徴とします。
(ただし、回避性及び強迫性パーソナリティ障害は、「神経症性人格構造」に分類されます。)
そのため、自分の気持ちと相手の気持ちを混同したりすることが起こりやすいのです。
たとえば、自分が、相手のことを嫌っていると、相手も自分のことを嫌っているように感じたりします。
また、相手が父親と年格好が似ていると言うだけで、父親に接しているように、自分の気持ちをぶつけてしまったりします。
自己愛障害を抱えている
自分へのこだわりが強く、自己愛のバランスが悪い。
自分を過度に粗末に扱ったり、つまらない意地を張って、大きな損失を被ったりします。
五番目の基本症状は、自己愛のバランスが悪いということです。
自己愛とは、自分を大切にする、人間が生きていくのに不可欠な能力です。
コフートによると、自己愛は、二つの中間段階を経て、発達します。
最初の段階は、「誇大自己」の段階で、すべての関心を求め、神のような万能感を抱いています。
その後、発達してくるのが、「理想化された親のイマーゴ」の段階で、親を神のように理想化し、それに一体化することで、自分の理想像を育む段階です。
それらを経て、誇りと理想をもち、現実的な知恵を兼ね備えた、成熟した自己愛へと結実するのです。
ところが、幼い時期に、自己愛が十分満たされなかったり、過度に満たされすぎたり、親を愛せなかったり、親に失望したりすると、自己愛の発達が損なわれ、貧弱な自己愛しか持てなかったり、いびつに肥大した自己愛を膨らませたりしてします。
こうした自己愛障害の結果、自分を粗末に扱ったり、不遜になりすぎたりしてしまうのです。
パーソナリティ障害の原因は遺伝?環境?
パーソナリティ障害の原因は、遺伝と環境要因が、およそ半々で関係しています。
他の疾患に比べても、環境要因の関与が大きいのが特徴です。
性格は、遺伝なのか、環境なのかという議論が、昔からあります。
パーソナリティ障害の原因は、遺伝なのでしょうか、環境なのでしょうか。
その疑問に答えを出す方法として、双生児研究があります。
まったく同じ遺伝子をもつ一卵性双生児と、普通の兄弟程度に遺伝子が異なる二卵性双生児で、一方が、パーソナリティ障害の場合、もうひとりがパーソナリティ障害になる割合を調べることで、遺伝的要因の関与の割合を求めることができます。
その方法で、調べた結果、パーソナリティ障害の発症に、遺伝的要因が関与する割合は、パーソナリティ障害のタイプに余り関係なく、概ね、五割強という結果が出ています。
これは、糖尿病や高血圧よりも、遺伝的関与が低いことを示しています。
つまり、環境的要因が、かなり大きいと言うことです。
環境的要因としては、乳幼児期の家庭環境が、非常に重要だと考えられていますが、それ以降の体験も、決して無関係ではありません。
もっとも重要な「環境」は親
親は子どもに遺伝子を分け与えるだけでなく、もっとも大切な「環境」でもあります。
他人との間で、親との関係を再現してしまうのです。
パーソナリティ障害の環境的要因としては、家庭環境が重要ですが、核家族化した家庭では、親の影響が非常に大きくなっています。
その一つは、愛情や世話がほどよく行き届いたかどうかという点です。
ネグレクトされて育ったり、見捨てられたりする体験は、傷つきやすく、不安定な人格を生みます。
もう一つは、親が、行動の手本になるということです。子どもは、言葉を学ぶように、親の行動から学びます。
親が何に価値を起き、どう振る舞っているかを受け継ぎます。
たとえば、演技性パーソナリティ障害の人では、容姿や性的魅力をとても重要視する家族がいることが多いのです。
中には、反動形成といって、親の期待と正反対な人格を発達させることもあります。
また、親の行動を模倣するだけでなく、親との関係を、他人との間で再現してしまうこともあります。
虐待され、親から粗末に扱われた人は、他人から同じように扱われるような関係を再現してしまいやすいのです。
社会的な環境要因もパーソナリティ障害の増加に関係している
境界性や自己愛性パーソナリティ障害が急増しています。
その背景には、家族が少人数になったことや、社会の自己愛化などが挙げられます。
パーソナリティ障害の中でも、境界性や自己愛性パーソナリティ障害が、急増していることが指摘されている。
日本では、八十年代以降、そうした傾向が徐々に見られ、今世紀に入って、いっそう顕著となっている。
パーソナリティ障害では、環境的要因が半分程度のウエイトをもち、また遺伝的要因が、数十年という時間スケールで大きく変化することはあり得ないことを考えると、環境要因の変化が、社会的な規模で起きて、急増につながっていると考えられる。
社会的な環境要因としては、前項でも述べたように、核家族化や少子化、離婚の増加などによる、小家族化が挙げられる。
それによって、親の影響力が増すとともに、それを中和する緩衝剤的な存在がいなくなったことによって、親の偏りや養育の欠陥を、子どもは、まともに被るようになったと考えられる。
それ以外にも、社会の自己愛性や、パーソナリティをバランス良く発達させるための社会的体験の不足などが挙げられる。
発達障害の子どもはパーソナリティ障害になりやすい?
発達障害の子は、適応しにくさを抱え、環境や理解に恵まれないと、偏りを強めてパーソナリティ障害に発展する危険があります。
発達障害は、さまざまな精神疾患のリスクを高めますが、パーソナリティ障害の発症リスクを高めることが指摘されています。
たとえば、ADHDの子どもはが、否定的な扱いばかりを受けると、しだいに反抗的になり、さらに、非行や反社会的行動がエスカレートしていくと、反社会性パーソナリティ障害に発展する危険があります。
ただし、その割合は、一割未満です。
また、アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラムでは、対人関係における消極性が強まっていった場合には、シゾイドパーソナリティ障害に発展したり、こだわりの強い傾向が、中心的な偏りとなると、強迫性パーソナリティ障害となることもあります。
発達障害に認められる、自己の行動パターンへの固執性や衝動性、感情制御の困難、部分対象関係などは、いずれも、パーソナリティ障害の特徴と重なる部分が大きく、発達障害を適応的に克服できない場合、パーソナリティ障害となって、問題を露呈すると考えられます。
他の精神疾患と合併することがある?
うつや不安障害の背後には、しばしばパーソナリティ障害がひそんでいます。
パーソナリティ障害は、さまざまな精神疾患の背後に潜んでいることがある。
もっとも多いのは、うつ状態や不安障害です。
パーソナリティ障害があると、過敏で、傷つきやすく、ストレスに対して脆いのです。
また、困難にぶつかると、二分法的な思考や部分対象関係のため、全体を見ながら柔軟に対応できず、融通の利かない、バランスの悪い対応をしてしまい、状況をいっそう困難にしてしまいがちです。
その結果、本人は頑張っているのに、問題はこじれる一方で、余計にストレスをためやすいのです。
そうした場合には、うつや不安の治療を行っても、問題をごまかしているだけで、根本的な改善にはなりません。
背後にあるパーソナリティの偏りを自覚して、それを修正し、現実生活での適応力を高めていくことが必要です。
一方、パーソナリティ障害と見まちがいやすい、精神疾患もあります。
軽躁とうつを反復する双極性Ⅱ型障害は、境界性パーソナリティ障害などと誤診されることがあります。
外来にやってくるパーソナリティ障害の多くは、うつ病や不安障害など、別の病名で治療を受けている。
コラム クロニンジャーの七因子理論
パーソナリティ(人格)は、生まれつきの要素が強い「気質」と、後天的に身につけた「性格」が合わさったとものです。
アメリカの精神科医ロバート・クロニンジャーは、気質の要素として「新奇性探求」「損害回避」「報酬依存」「固執」の四つを、性格の要素として「自己志向」「協調」「自己超越」の三つを抽出しました。
新奇性探求は新しい刺激を求める傾向で、高い人は、好奇心旺盛で飽きっぽく、低い人は現状維持を優先します。
損害回避の高い人は、慎重で、堅実で、低い人は危険な賭けを好みます。
報酬依存の高い人は、褒められると頑張りますが、低い人は、周囲の評価に無関心です。
固執の高い人は融通が利かず、低い人は柔軟です。
自己志向は、自分の考えを実現しようとする傾向で、自己志向の低い人は、他人の考えに合わせてしまいます。
協調は、人と仲良くやっていく傾向で、低いと孤立的に振る舞います。
自己超越は、他人のために奉仕しようとする傾向で、低いと自分の利益ばかりを追求します。
クロニンジャーは、パーソナリティ障害になってしまうのは、性格の部分が貧弱であるためだと考えました。
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